クメール遺跡ボロブドゥールの旅【7-1】Apr 28, 2016~May 04, 2016
汽笛の音で目が覚めた。それが日常になっていた。
その汽車に乗って、ソロ(スラカルタ)駅に行く。前もって調べておいた時間は9時10分のはず。ただ、前売り予約をしたわけでないので、8時前にはホテルを出ることに決めていた。
駅の改札かた見ていたところでは、このTOGU駅からの汽車は出発時刻が正確だった気がしている。
TOGU駅(ジョグジャカルタ)からソロ(スラカルタ)駅への列車の旅
「ジョグジャカルタというところは、来て見ると非常に奇妙なんだよね?」と私。
「なんで?」とつれない返事の相方。
「ビールが日常で飲めない、アルコールは禁止ということはイスラム教徒の人達が圧倒的に住んでいるんだよね。」と壮大な宗教全体の比率を言ったつもりでいた。
いつもの相方らしく、アルコールの話が気に入らなかったらしい。
「なんだ~お酒の話なの?私は飲まないから関係がないしミネラルウォーターがあれば満足ですから・・・」
「そうじゃないんだ、ボロブドゥールの仏教やプランバナンのヒンズー教にしても丁寧に修復しているし、観光客にも地元インドネシアの人も多い、偶像信仰のないイスラム教の人達がここまで認めるのがわかりにくい。」
そう言ってしまったあと会話は途切れた。
インドネシアの鉄道情報から旅の参考にするなら、この本がオススメです。
TOGU駅の東口から、切符を購入する事にした。
つたない英語と、目的地を書いた手帳を見せてソロ駅迄を購入する。ついでにこの駅で、帰りの予約ができないか?と聞いたら、こちらの窓口では買えないから、もう一つの南口で購入するように言われてしまう。
何だか納得できないで、想像をふくらませると帰りは「今日(本日中)」じゃないと思われたかな、思い当たるとすればそれぐらいしかない。
南口に行くには、ぐるっと遠回りしてくことになる。なんとかショートカットの道は無いのかと改札で聞いてみたら、「ここの窓口で買える」と言う。
「向こうの窓口で購入してください」と言われたことを片言の英語で言ってみたら、「ついてこい!」こちらを手招きして改札を通り、駅構内を抜けて南口に案内してくれた。かなりの特例かもしれない。まともに、駅の外に出て行くとすると、15分はかかってしまう。それが1分に短縮できた。
南口の窓口で、切符を買う。先ほどと同じように、帰りの便は買えないのかと尋ねたら、「今日か?」と言われて答えると、「ソロで購入してください」と手帳に書いた駅名に指を示した。
1時間30分ほどの列車の旅が、65円?
「やっぱり、さっきは、勘違いしたのかな。」
支払った私は大人ふたりの料金に驚いた。ずっとツーリスト価格になれていたので、「0」が一つ少ない価格に相方も驚いていた。
1000Rp(1000ルピア8円ちょっと)なので、8,000Rpで日本円に換算するなら「65円程度」であろうか。これで1時間30分ほどの旅ができるのだから貴重な体験である。
改札の時間である。
コンビ二を通り過ぎてすぐ左側が改札である。
目の前に見えるのは、降車した人の出口専用となっている。
思ったよりも断然いい座席にビックリ
TOGU駅~ソロ駅を走る汽車には、座席指定がないという事なので車両も期待していなかった。安いしね。
ホームに入って来ている汽車のアナウンスが入っている。このホームでいいはずなのだが、結構立派な車両である。仕方が無く、駅員に再度確認すると手振りでこの車両をさしてくれた。間違いがないのであろう。それにしては、立派過ぎる。この価格とインドネシアでの交通機関で交渉してきた値段のイメージとどうしても一致しない。
フルラッピング仕様の汽車は、窓まで覆われており外側からは車内の様子はわからない。窓の部分はピンフォール状になっていて、中からは十分に外が見える。
車内は対面のシートで、比較的きれいである。走り出して数分で着く次の駅のルンブヤンガン駅までは空いていた。こちらの駅が中心なのか大勢の人が乗り込んできた。
ラッピングの窓のせいで、到着した駅の確認ができない。正面は一応クリアに見えるが、斜め横になると、見にくい。そんなに早くは到着するわけではないのだが、駅に着くとその駅がどの駅かわからないので不安になる。
昔、アユタヤへ行ったタイでもそうだったのだが、駅名が日本のようにわかりやすく表示されているところが少ない。ましてこの車両は、窓がラッピングで視野が狭い。
そこで、取り出したのはスマホのGoogle Mapである。現在位置を確認していく事にした。これはこんな時最強のツールである。(バッテリーの消耗が心配である。朝から使うと予備バッテリーまで、昼過ぎには必要になるかも)
相方が、正面上の電工掲示板を指さして
「次の駅のインフォじゃないの!」とちょっとあきれ顔で言ってきた。
まさに、今までの心配が必要の無いものだったと理解した。この汽車はソロが終着駅でないので気をつけていたことが一瞬にしてリセットされた。
まだ改札を通ってないのにタクシーの売り込み
駅に到着すると、出口方向の看板が立っている。人が進む方へ流れるように従って行く。
タクシーの案内を行っているようだ。最初は駅を出て、帰りの便を決めてからにしようと思っていたので、これはスルーすの予定だった。
というのも、以前タイのアユタヤでも同じ経験をしたからだ。まだ、改札を通る前にトゥクトゥクのドライバーに声をかかられたときと似たような状況だったからだ。
その模様はこちらに。
案の定、声がかかる。
「チャト寺院とスクー寺院に行って、ソロ市街のダリルハディのバティック博物館にも寄って最後に食事をして・・・・」と拘束していくらか聞いて見た。
タイのアユタヤでの経験値は大きい。値段交渉はさておき東南アジアではこのようなスタイルがビジネスなのだと割り切ることができる。
それでも、桁の大きい貨幣は、提示されて一瞬たじろいでしまう。
提示された金額に、頭が混乱して日本円の換算ができない
『えっ、それはちょっと高いだろ・・・頭の中が、制御不能でフル回転している。ベチャで15分で20,000Rpだったから(このタクシーに使う換算金額として妥当かどうかわからないが・・)、1時間80,000Rpで考えても7時間半か・・・もしかして1時間の単価が間違っているか、いやいや桁が大きいすぎてわからない。』
とあまりにも高い金額の不意打ちに、頭をガツンとやられた気分である。
いとも平然と相方が「高いわよ!」と日本語で言っている。
ここに来るまでの「汽車賃?(8,000Rp=約65円)」の安さと、ここで提示された金額のギャップに、頭の整理が追いつかないだけかもしれない。
『たしか、一番遠いチャト寺院までタクシーで2時間とガイドブックで書いてあった。スクー寺院はその途中にある。戻ってきても6時間半もあれば十分すぎる・・・概ねタクシーは飛ばすから、1時間半くらいで到着するはず・・・』とさらに勝手な計算をし始める。
その間に、声がけの仕切っていたボス的存在は、こちらをカウンターに引き寄せて正規価格の表を見せつける。
すでに、今まで対応していた若いスタッフにまかせて次ぎの客に狙いを定めているが・・・。
正規料金表を見せて納得させようとする、いつもの事
タクシー配車カウンターにある正規価格という600,000Rpの表示を強く指さして、
「オールディ、500,000Rp」と言ってみる。
若いスタッフは一瞬たじろいだように見えた。決して大幅に値切っている訳でない。この3分の2の価格だってOKがでそうな単純なプランである。
先ほどの仕切り役に、了解を求めるから待てという。
そうすると紙に「500,000」と書いて
『こいつらは、この値段にしろと言っているが・・・いいですか?』と承認を得ている。
すぐにOKが出たくらいだから、もっと値切る事ができたような気がする。
程なく、ドライバーがやってきて今日一日の運命を預けることになった。
そのまま、タクシーの待機場所にいったので、うっかり帰りの鉄道の時間を決めていない。
この駅での勧誘(案内)では、ホテルの予約も盛んに声をかけている。ここで宿泊するという方法もあるかなと思った。このソロからバリ島などにフライトするプランがあることも、ここに来て人の動きで分かった。
一応というか、小さいながらも国際便も飛ぶ「アディスマルモ国際空港」でした。※国際線は、エアアジアによるマレーシア・クアラルンプール便やシルクエアーによるシンガポールのチャンギ国際空港などを結んでいる。(※現在はともに運休中ーこれにより国際線が消滅?)
そのため、思ったより名の通ったホテルが多いのも特徴の都市である。
今回は遺跡を巡る旅だったが、バティックの本場として購入を目的とする旅なら、急いで帰らず「インドネシア「ソロ」で宿泊」をプランに入れるのもイイかなと思った。
一番手軽に思えるのは(Novotel Solo)ノボテル ソロをセレクトすると安心ですが、日帰りで気ままに「鉄道の旅」と言うのも、地元の人との交流としてなかなか捨てられない旅のひとつでもあます。
インドネシアとともに、東南アジア全体の鉄道の旅を考えるなら参考になります。
つづく・・・
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