クメール遺跡ボロブドゥールの旅【9】Apr 28, 2016~May 04, 2016
プラウィロタマン地区は、ホテルや店が立ち並ぶ
私達の感覚では渡れそうもない車の量の中で、こちら目指してわざわざ渡って来ます。
『大丈夫か?』と思いましたが、そこは慣れたもの。絶妙の車と息の合ったアイコンタクトですり抜け、間合いで車のスピードを殺しながらこちらに渡ってきます。
「これは、少しぐらいの滞在ぐらいじゃできないな!」と言うと相方は、
「ベトナムのおじいちゃんの太極拳みたいなゆったりした渡り方が基本ね!突然急いだり、急に止まったりはダメみたい・・・」
『確かにそうなのだ。小さい頃から信号でも点滅したら、早く渡りましょう、と教育されているので、車の迷惑にならないように急ぐ習慣は、東南アジアでは、事故になる。不用意な急な動作は厳禁なようだ』
このプラウィロタマン地区は、ゲストハウスなどを含めたホテルが多くあり、面白そうな雑貨屋などがある。今いる「ウィノトサストロ」 バティック専門店のある通りと大きな道を渡った対面側の通りは、食事もできそうな雰囲気なので渡ろうと思っていたところだった。
何度も、身を挺して道路の横断を助けてくれる
「次はどこ?」と相変わらず陽気な雰囲気でベチャモートルのドライバーが聞いてきた。
「向こうの通りを見て戻ってくるから・・・」と言ったら、この交通量の多い通りの横断を身を挺して渡らせてくれた。自分が渡ってきた時よりも強引に車を減速させるのは、どん風に違うのかがわからない。たとえば複数の人数の時は、違った渡り方があるのか?
どうしても、コツがつかめなかった。
情が移るとはこういう事だと思う。
「一通り見て戻ったら、頼むしかないよね!」と相方が言い出した。
それについてすぐに答えを出さないでおいた。
プラウィロタマン通りを歩いてみると、たくさんのベチャやベチャモートルから声がかかった。それだけ、ここには、ホテルなどが多いと言うことだ。
ジョグジャカルタの旅行を決めたとき、宿泊先の候補の一つとしていたのがこのプラウィロタマン地区だった。それは、限られた場所でしかアルコールを飲めないし、購入もできないとわかっていたからだ。
比較的この地区なら、小さなレストランもツーリスト用にビールを出しているようだ。しかしながら、先日のソロへの汽車の旅を優先させると、駅に近いマリオボロ通りの周辺をはずす事ができなかった。相方に言わせればアルコールを飲まないのでこの場所する選択肢はなかったと思うが・・・。
いくつかの店を見てまわった。そのままこの道を抜けて、待機しているベチャに乗ろうとも思ったが、なぜか、先ほどのベチャモートルのドライバーが気になってしまう。
「ボロブドゥールシルバーにいって、トランスジョグジャにまた乗って帰ろうと思っていたけど、さっきのドライバーにお願いしてその店にいって、マリオボロ通りまで送ってもらう事にしよう。」と相方に確認した。
「そうね!そうするしかないわね」ともうバティック作りで大満足の相方にとって、もうどうでもいいような雰囲気だった。
『ああいう人は少し信じないようにしないと、とはじめは言っていたのに・・・ 』もう警戒心を解いている。
戻るもの一苦労である。そこら中ににる道路沿いに待機中のベチャ軍団に声がかかる。
ベチャモートルは思ったよりも快適だった
プラウィロタマン通りとの交差点の交わる角に、ベチャモートルのドライバーは待機していた。見慣れてしまったニコニコとした表情でまた問いかけてくる。ルートを説明すると「150,000Rp」と言う。
ちょっと、高いだろうと思って「ここに戻るまで全部(ほかの)断って来たんだよ!」と安くしてもらう正当性を説明する。
「いくらならいいんだ!」というので、ペンを出して「70,000Rp」と提示した。
相当納得がいかないようだったが、渋々「OK」がでた。
私達の根拠としては、「ボロブドールシルバー」に連れていくとドライバーに支払われるリベートぐらいあるだろうと予想していたからだ。
ボロブドールシルバーで買い物を済ませると、何やら印刷した日本語の紙を出してきた。ジャコウネコのコーヒーがあるから行かないか?という事らしい。
すでに、このコーヒーは購入済みなのだが、かなり大規模にやっているらしいし乗車の金額もそのままで変更なしという事で、つきあうことにした。
ベチャモートルのガス欠ーのどかなペットボトルで給油
交通量のあまり無い、幹線道路にどんどん入って行く。すぐという割には、意外と時間がかかっていて、目的地が明確でないので不安になるレベルである。「ドッ・ドッ・ドッ・ドッ・・・」 とベチャモートルの出力が落ちた。ちょっと止まって車体を揺り動かして、いざ発進・・・。エンジンが生きをふきかえす。
今度は突然エンジンがストールして止まってしまう。横にある小さな商店へドライバーは走って行きます。茶色の色をした1.5リットル?のペットボトルを持ってきます。
シートを持ち上げて、給油です。
ガス欠!私は振り返って笑いました。
何か面白い人でした。
「Facebook OK?」と言ったら、すぐにOKと言われます。
そこから、しばらく快調に走って行きます。
コーヒーを飲もうとスタートした今日は、こんなところで実現しました。
「Mataram Loewak Coffee」は、日本人のツアーに組み込まれているのでしょう。各国別に、担当が付く段取りようです。
大学を卒業して働いているという女性は、非常に流暢な日本語を使っていました。
コーヒーを飲もうと思って、今日はスタートしたので、ジャコウネココーヒーでしたが、思わぬところで、試飲できました。
コーヒー特有の味の中に、雑味感を感じない苦みの奥深いところに甘みを持っている不思議なテイストでした。美味しかったですね。
さて、いよいよホテルに戻ります。
考えて見れば何も食べていない事に気づきました。マリオボロ通りで食べようと相方と相談しながら店を出てきました。
車両を使った移動は一方通行をうまく使って乗降する
王宮の北広場とマリオボロ通りが交わる交差点が、一方通行などで都合が良かったので、下ろしてもらう事に。道路の横断も二回も身を挺して渡らせてくれたし、途中のガス欠なんて想像もしなかったトラブルも経験させてもらった。そんなドライバーの彼だから、少しだけチップを払うことに。おつりがなかったこともあるけど、人柄に免じて・・・。
修学旅行生の団体が同じフロアに。
ホテルに戻ってみると、団体さんが入ってきてた。英語を話す国からの修学旅行生のようだった。こんな小さなホテルでも宿泊するのかと驚いてしまった。
夜、「明日は帰るのか」と思うとドッと疲れが出てきていた。
ちょっとウトウトしていたら・・・
どこの国も変わり映えしないものである。私達の部屋からは、少しは離れた向かい側に修学旅行生の部屋が割り当てられていたようだ。
床が振動したり、壁からの音が伝わって来ていたのは、何となくわかっていた。
それが、だんだん部屋を行き来したり、その声が大きくなって来ていた。この階のフロアには、修学旅行生の団体以上に、私達を含めて色々な国の人達が宿泊している。
相方が、部屋の扉を開けてフロアをのぞくと、数人のワイガヤ組がいてそのひとりの学生と目があった!
世界共通?だった「シーっ」のポーズ
すかさず相方が、口に人差し指を立てて「シーっ」というアクションを起こしたらしい。らしいというのは、私はウトウトと眠りに入っていたからだ。
そうすると、その学生は、周りの仲間に向けてまったく同じポーズをとりながら、「シーっ」と言って『静かにしろ』とジェスチャーしていた。それで、一気に静寂するのだから、極めて有効な世界共通の仕様だと相方は朝起きがけに言っていた。
ちょっとうつむいている少年は・・・
最終日である。
日課となった1階のレストランに部屋番号を告げて朝食の席につく。いつもよりも、昨日の修学旅行生がいるのので賑やかで、空いてるテーブルも1つだった。学生達の隣の席が空いていたのでテーブルにつく。
バツが悪そうに、うつむいている少年がいる。私とテーブルの間をはさんで斜め向かえ
の席に座っている。朝はバイキング形式なので、彼が席をはなれている時に相方が小さな声で私に、昨日の顛末を話だした。
「きっと、あの子なのよ。うるさかった訳でもないのに、代表しておこられてしまったのかな」
「よくいるんだよね、タイミングが・・・。でもクラスの中では人気者なんだよ」
ブリンハルジョ市場をのぞいて
学生達の食事が済むと、急にテーブルの空席が目立ってきた。
もっとも、私達も早々に切り上げて、最終日のジョグジャカルタのスケージュールを満喫する事にする。昨日頼んでおいたレイトチェックアウトは、通常の12時を13時にしてもらっていた。
もう何度も通ったマリオボロ通りにある、地元庶民で賑わう「ブリンハルジョ市場」をのぞいて見ることにした。入口が通りからわかりにくくなるほど人が多い。はじめは、どこが入口かわからなかった。
1階は、衣料品でコマ割りされていて、通るのもやっとという狭い通路もあって活気を感じる。手にとって見ると、価格がついているものは安さを感じるが、値段のついて無いものはどうなんだろう。マリオボロ通りで売られているものも、値段を聞いて交渉するものもあったので、ここも同じだろう。
2階・3階に上がると、少しだけ空調が効いて涼しい。クーラーが入っているのだろう。幾分混雑もなくなっていくので、落ち着いて買い物はできそうだが買うものがあまりなかった。フードコートで何か冷たい飲みものでもと思ったが、それなら、マリオボロモールの方が落ちつけると相方が言うので、納得した。
ジョグジャカルタの街並みも見納めです。ホテルに戻ってからシャワーを浴びて空港に向かいます。相変わらず、外に出ると陽差しが強くて水分が必要になります。