オールドキャンパーの「ひとりごと」シリーズです。
Coleman Single Burner Stove Model 533 メンテナンス
最近はキャンプから遠ざかっていますが、キャンプ道具は更新されずに使い続けて(持っているだけ?)います。古いキャンプスタイルなので「ふるキャン」でそんな道具はなかなか壊れないパーマネントモデルというか「無限」というかなので「∞」をタイトルに付けました。
もちろん、「ゆるキャン△」にインスパイヤされてます。(^^)/
失敗しないModel533のチェックバルブを清掃(・・・失敗例付き)
今回、静岡の大井川鐵道や天竜浜名湖鉄道などに乗る機会があった。
そこから見える情景は、昔よく趣味で行っていた「ソロキャンプ」。そしてコロナ渦での野外での楽しみ方としてのファミリーオートキャンプなど現在のキャンプブームが見えてきました。
アニメ・ドラマとヒットしている「ゆるキャン△」は、静岡・山梨が描かれていて祖父が使ったキャンプ道具を主人公の女子高生が受け継ぎ、ソロキャンプを始めるというストーリー。旅行から帰って来てから、動画配信サービスの「Paravi」でアニメとドラマそれぞれシーズン2まで鑑賞してしまった。
そんな理由でもないが、もう何年も使っていないキャンプ道具を押し入れから引っ張りだしてみた。特に使用時には丁寧に使っている訳でないけど、、仕舞い込む時はよく点検しながら使ってきた。
その甲斐あってか、コールマンシリーズのガソリンバーナーやランプ類はなかなか致命的な壊れ方をしないので、アンリミテッド(∞:unlimited)に使える仕様だったりします。
自分自身、トレッキングなどではもっぱらガスカートリッジ式のバーナーを持ち歩くので、加圧の必要なガソリンバーナーはめっきり使わなくなっていました。
そして、ポンピングの際に加圧すると中央の穴からガソリンが出て来て十分なポンピングができなく症状が出て来ていました。
ポンプの部分は、長年保管状態にすると、専用オイルである「リュブリカント」の成分が乾燥して膠着していることがあります。
無理に動かさずにオイルを含ませながらゆっくりとポンプを引き出します。「Lubricant:リュブリカント」は古いものを使用しました。最終的には洗浄や交換が必要となるので取りあえず、可動をスムーズにするためです。
ポンプノブは、「CLOSE」してあるので、引き出す(OPEN)には、ネジを反時計回りにします。(※硬直していて動かない場合は、リュブリカントオイルを差して少し置きます)
コールマンギアをメンテナンスするなら、絶対に必要なのが「スーパーレンチ 」です。
最近の物は、丁度中央の「抜き」部分に「Coleman」のロゴがエッチングされていて所有欲を掻き立てます。
一度引き出したポンプを再び本体側に戻してネジで「CLOSE」しておきます。この作業を省略してもいいのですが、内部のゴムカップが乾燥して張り付いていた場合の破損を防ぐ効果があります。
別に、交換するからと言う場合は、スーパーレンチを当ててそのまま取り出すことも可能ですが、一応精密な部分であることと、メンテナンスがキャンプに出かける前なら、できるだけ部品を交換というのを避けたということもあります。
なかにあるゴムカップの劣化が一番疑われますが、交換部品がない場合、破けなければ一度くらいのキャンプには使えます。
この取り外しに関しては、オイルの注入も少ないのでゴムのポンプカップに行き渡っていません。しかしながら、交換用に購入した新品に比べて多少硬くなっているようですがまだまだ使えそうです。
絶対やっちゃいけないチェックバルブ取り外し失敗例
今はそんなことはしないのですが、いい経験になった事例をひとつ紹介します。コールマンのホワイトガソリンの燃焼ギアシリーズで、難儀なのがチェックバルブの取り外しだと思っています。
自分では行わずに正規のメンテナンスを受けるのが、長く使う一番の正攻法だとも思います。
巷に溢れている情報で「太いドライバー」で力一杯回せば外れるなど、本来ならチェックバルブの材質などを知っていると考えられないメンテナンス法だったと思います。力一杯回して取れる筐体もあるかも知れませんが、自分が知っている限り出会ったことはありません。
そこで、当時のこんな失敗を再現したらこんな感じです。
ネジをなめた状態は、こんなドライバーで取り外そうとしたがゆえ。ドライバーを本体に押しつける力と同時にネジを回す力が必要です。
そのとき使用した「ドライバー」がこんな感じの物でした。チェックバルブのネジ山サイズにはほぼ合っていましたが、取り外す方向へ回すことができないで諦めました。
最悪、スジをおかしくしたり怪我をすると思います。
専用工具を使ってメンテナンスが楽なことは言うまでもありません。
チェックバルブは専用工具を使って外す。
チェックバルブ&エアーステム部分の取り外しにかかります。昔のスーパーレンチなら、中央の抜きの部分を使ってエアーステムを回すことができました。まあ、別にラジオペンチ等で回りますので必要性は低いのですが・・・
ポンププランジャー一式とエアーステムが外れました。残るは、今回の課題であるチェクバルブの作業です。
あらためてチャックバルブの工具を使います。
エアーステムと同じようにネジ込んで行き、マイナス部分のネジの切り裂きにぴったりと収まります。これでチャックバルブと工具は強く結合されているので、あとはネジを緩める方向の力だけですみます。
チェックバルブ専用工具を使って取り外します。①~③で固定できます。取り付けでガタが無いようにします。
今回の専用工具には、ハンドルがついていますがここまでできれば、スパナやレンチ、変わり種としてはバイスプライヤーでも力を入れやすいです。
付属のハンドルは、スマートに扱えます。
本体を押さえて、一瞬ハンドルに力を入れるとチェックバルブが動きます。
チェックバルブの洗浄
思ったよりも汚れていないようです。チェックバルブの「Oリング」も多少痩せて変形はありますが、今回は交換しないで済みそうです。問題は、中にあるボール(球体)の動きです。
今回は、汚れ落としに「ブレーキクリーナー」を使ってみました。洗浄効果としては、このバーナーに使っているホワイトガソリンがいいのですが、ゴムと金属のクリーナーとして、車用のキャブレタークリーナーとかも使えると思います。
今回は、普段油脂成分除去に使っている「ブレーキクリーナー」があったのでが大きな理由です。燃焼系の汚れを取る目的なら「キャブレタークリーナー」がより適しているのかも知れません。
このような溶剤を使う場合は、火気厳禁なのと換気のよい野外で行うのが原則です。
あまり強い汚れでなければ、今では一家に必ずある「除菌アルコール」でも油脂が取れてしまいます。金属汚れについては、強力なものがありますが、ゴムのパッキン類をなるべく傷めないような方法がベストと思います。
チェックバルブの交換が必要かは、このボールの動きにかかっています。
周りにスプレーをかけて、ボールに傷をつかないように洗浄に使ったのは、爪楊枝です。
専用オイル「リュブリカント」が固まったモノなのか、燃焼でのカーボンのようなモノなのか粘りのある汚れがあるので周囲をスプレーしながら爪楊枝で汚れを取って行きます。汚れを見て判断するのに綿棒で確認します。
一応、ボールの輝きが蘇り動きがスムーズになりました。
最後に、ポンププランジャー一式とエアーステムの洗浄です。
これで洗浄は終了です。ポンプカップ・チェックバルブのOリング(パッキン)なども取り替えが必要かなと思いましたが問題がなかったようです。
オイルを馴染ませながら組み付け作業
潤滑性能が良いからと専用オイル「リュブリカント」以外を使うのはやめましょう。油分が必要なのは、ポンプカップ部分とポンピングに必要なポンププランジャーです。その他、エアーステム周りと各部のネジ山部分、そしてチェックバルブの丹念に清掃したボール部分に垂らして拭き取っておきます。
気づきにくいのですが、本体のポンププランジャーの動きを制御するシリンダー部分の汚れとオイルを薄く添付すると、ポンピングがよりスムーズになります。
私の場合は、すべて素手で行っていますが「リュブリカント」オイルは、手に付くと粘り気が多いのと油脂で荒れやすいなら、薄手の手袋なら細かい作業もしやすいです。
本来なら工業用の手袋と言いたいところですが、現在のコロナ禍で、食品用の手袋も手に入りやすくなっています。長時間で無ければ十分機能を果たします。
リュブリカントオイルを塗布しておきます。主要な部分は赤で囲んだところになります。
今回分解してみて、以前からメンテナンス用に交換部品を用意していましたが、交換する箇所はありませんでした。概ね分解清掃作業ということになってしましました。
それだけ、保管時に軽いメンテナンスをしておけば、劣化が少ない「Coleman」ブランドの信頼性があらためて再確認することになりました。また、今のところジェネレーターには異常がないのですが、火力が不安定になるなら今後の課題としておきます。
チェックバルブから取り付けて元に戻します。
手でチェックバルブのネジが止まる位置まで締めて行きます。(まだハンドルやプライヤーなど「アタリ」の感覚がわからない物は使わないで手でしめられる場所を知ります。)
次にハンドルを取り付けて増し締めします。(オイルを塗布しているのでキツくネジ込むことはありませんーこの感覚を判断できない場合は、このようなメンテナンスは正規のメンテナンスを依頼する方がよいと思います。)
ハンドルをつける場合は、蝶ネジを一度外して取り付けます。再度、蝶ネジを回してチェックバルブを噛み合わせをします。
ハンドルを使って軽く締め付けたら、蝶ネジを取ってチェックバルブとつながっている、コネクトロッド部分を手で反時計まわりで外します。
取り付け時にエアーステムの部分にオイルを再度塗布します。これは、ポンピング時の動きをスムーズにするのですが、ポンプブランジャーの注入口からは、取り外さないと直接塗布ができないからです。
ポンププランジャーの動きがスムーズかを確認しながら、加圧にないで押し込む時にキャップの穴から十分な空気が出ているかを確認します。(穴を閉じれば空気漏れなく加圧できることの実証でもあります。空気が弱い場合は、ゴムのポンプカップの破損が考えられます)
プラスチック製ポンプキャップをColemanメンテナンス専用のスーパーレンチで回して固定すると終了です。
エビデンス:燃焼テスト
例えば、この「シングルバーナーストーブ533」を新品で買って使うとすると、まずプラスチック製ポンプキャップを外して、エアーステムにリュブリカントオイルを塗布すると思います。
使い初めの一度目は、アブラ切れは無いかも知れませんが、ほぼ高温で燃焼していきますので、オイルの乾燥も早いかと思います。
決して多めにオイルを塗布することはないと思いますが、スムーズなポンピングとチェックバルブの機能低下を抑えるための作業は厭わないで欲しいものです。
なんとも言えないあの忘れもしない「ガソリンストーブ」の燃焼音。これを聴きためにキャンプが癖になっていた時期を思い出します。この音響も不滅ならColemanのギアはメンテナンスを怠らなければ「不滅」、無限・・・Unlimitedな世界ですね。
チェックバルブを外すには、専用レンチが必須です。下手にドライバー(経験済み)で取り外ししようなんてもってのほかでした。
私はこちらの商品をつかっていますが、もう少しお安く購入するなら、ハンドルバーの付かないタイプでも機能同じです。
Colemanのランタンやストーブバーナーといったガソリン系のメンテナンスにはあったら便利です。専用工具らしくパーツサイズにぴったりなのと、これ一本あればキャンプ場でも大抵のことはできそうです。
そんなに使うモノでは無いと思いますが、一本は必須です。植物性のオイルを代用するとかありますが、長く使うのにはどうでしょうか。純正オイルの安心感を買う方が後々のメンテナンスが楽なような気がします。
他のコールマンにも共通なので、予備でもっていたモノです。オイルをポンププランジャー内に入れておくことと、今回のメンテ時に行った取り出す前にオイルを補充して動きをよくしてから外すようにすると、幾分ダメージが少ないようです。
結局、イメージ的には少し硬化しているような感じですが、ポンピングの加圧に耐えてるので交換しませんでした。
また、リュブリカント代用品としてAZのオイルはコスパも含めて汎用性がありました。効果は検証していませんが、水置換剤配合により金属表面より浮き上がらせ外部に排出するとあります。(AZのHPより)
チェックバルブ用 Oリングは、ダメになりやすいと聞いて用意しましたが、ゴム質の多少の痩せがあったものの、機密には全く問題がありませんでした。
こちらのチェックバルブ&エアーステムは、アッセンブリでの交換です。ネジをナメてしまっているのでどうしようかと思いましたが、なんとか取り外して見ると機能に問題無しなので購入に至らなかったものです。
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