プノンペンから行くサンボープレイクックや南部遺跡の旅【5】
Dec. 30, 2017~Jan. 04, 2018
朝7時の定刻通り、今日のガイドさんがロビーで待っていた。挨拶もそこそこ待たせてある車両に乗り込む。と言っても今日は「正月」、Happy New Year!といい「あけましておめでとう」と日本語で話しす。
年式は古いがカンボジアでは見慣れた「レクサス」である。
高級車らしく室内はきれいに清掃されているが、シート材質などはチャーターのタクシーような廉価仕様になっていた。
カンボジア・日本友好橋は工事中
プノンペン市街は、新年に関係なくバイクと車の量があふれている。ベトナムほどではないがバイクの数も圧倒的に多い。ヘルメットは道交法で義務付けされているようだが、ぽつぽつとかぶらない人がいる。
日本人の感覚からすれば正月早々、クラクションの音がけたたましく響いている。これも、東南アジア特有の日常が見えている。
ホテルのあるプノンペン市街からサンボープレイクック遺跡に行くには、フランス大使館の横を通り、タイ国境へつながる国道5号線ロータリーから進路を変え国道6号線に向かう。そこには、トンレサップ川にかかる中国が架けた「クロイチャングバーII橋(通称、カンボジア中国友好橋とも言われる)」で渡る必要がある。
実は、その横に平行して日本の「チュル イ・チョンバー橋(シアヌーク前国王に名付けられたカンボジア日本友好橋(通称:日本橋)」が架かっているのは皮肉に感じる。
しかしながら、現在は工事中のため、片側通行として「クロイチャングバーII橋」を使っているため渋滞が激しくなっている。
朝早く出てきてここまで順調だったが、渡りきったところにあるロータリーでまた渋滞になっていた。この付近は今後土地の開発が進んでいてクロイチャングバー(Chroy Changva)地区と呼ばれて、不動産取引なが盛んになって来ているようだ。
カンボジアの人達も、この日本の橋の修復が終わる2019年6月完成に期待をふくらませているようだ。
カンボジア日本友好橋(通称:日本橋)
ポル・ポトの内戦が激化する前の1963(昭和38年)に日本の資金によって建設したが、内戦中に爆破により落橋した。その後、カンボジア復興会議により1992年、日本の援助により修復されている。25年以上経過した老朽化を日本のJICAにより最新技術でかけ直している。
2019年6月完成予定「カンボジアだよりNo74」ーJICAカンボジア事務所発行より
この橋を渡ってみると、なにかもやもやした気持ちがわいてきた・・・。
・・・日本はのんびり屋かな?渋滞の緩和による要所を物流や交通の要所をつくって発展させるという純粋無垢な気持ちは、時として海外での公共事業が負ける要因かも・・・と思ってしまう。
しかし、カンボジアには、昔からベトナム人や中国人が産業に参加していた歴史があり商業として成り立っていたし、それから見ると日本はずいぶん後でやってきたともいえるか。
胸につかえていた疑問、カンボジアにはなぜレクサスが多いの?を聞いてみた。
郊外にでると、バイクの密集度は薄れてくるが、往来のスピードは高くなるし小道から本線に急に飛び出してくるのも平気である。
そんな中に、TOYOTAのランクルの最新モデルやLEXUSの新型SUVなどを目にする。乗用車というよりも、車高の少し高くなったSUVタイプが多いのも、ここカンボジア内の高級車の特徴である。
GDPがひとりあたり3000ドルを超えていない国でありながら、日本購入しても新車で1000万円すると思われる車が走っているのは、不思議な現象である。
この3,000ドルという数値を超えると、車の普及が始まると言われ、バイクが減少傾向になるというデータもあるようだ。
プノンペンに今回来てみるとそれが痛烈に感じてしまう。2014年にシェムリアップに行ったときも、レクサスやトヨタの高級車、そして日本でも高級外車と言われるメルセデスSクラスなどその数に驚いた。
カンボジアも自動車の生産をしていない。近隣諸国の中にはベトナムも自動車は海外から輸入である。自動車を生産しないで国のモータリゼーションは、レクサスや高級外車の新車が牽引していく新しい経済成長の形かもしれない。
高級車に対してバイクの台数が多いということもあるが、庶民に対する大衆車が少ないと思えるのも、日本などが経済発展する様子とは違った豊かさを求めているように感じてきた。庶民がバイクから今後の経済発展ですぐに高級車になるとは思えない。
一方で、個人の持ち物は、日本人と比較して変わらないものがある。IT機器であるiPhone等のスマホは、日本人と同じように所有しておりトゥクトゥクのドライバーや屋台で働く若者も同様に持っている。
そこには、先ほどのGDPではじき出される数値が当てはまらなくなっているように思う。車を所有することが文化的な生活を満たすという事ではないのかも知れない。そのスマホの普及により、世界の言葉の壁をぶち破って、頑張れば使い方次第で翻訳し、コミュニケーションも取れてしまう。
そこで、サンボープレイクック遺跡への道中に日本語ガイドさんに聞いてみた。運転手さんにカンボジアのクメール語で聞いてくれるようだった。
それによると、このレクサスは中古であることが判明した。確かに最新のLXモデルではないのでそんなに高くは無いこと。さらに、性能面の満足度としてサスペンションが良いので道が悪くなったときや郊外の未舗装道路などで乗り心地が優れている、そんな答えを通訳してくれた。
「道が悪くなった時って、雨期とかのこと」と聞くとそうだと答えてくれた。
「これから通るところで、舗装がはがれているところがある。雨期とかではがれる」とガイドさんは言う。
実際郊外へ行くと両端の路肩がはがれて削られている。それは、雨で流されて削られた跡だったりする。
続けてガイドさんは言う。
「この舗装でも、ここら辺に住む人にとっては生活に必要な道を作ってくれたと言って喜んでいるんだよ」
日本のクォリティで作られる道路舗装よりも、工期も短い簡易舗装のようなモノの方が評価されるのか・・・。
そして、最後にトヨタの車は整備がいい、と付け加えていた。
スマホなどのIT機器によって正確な情報を得ることが可能になった国民は、庶民である中間層が増えて行く過程で、単純に自動車の保有台数が増えるだけでない、車社会の発展に大きく影響していくように感じた。
この場所は、地元の人が朝食を取ったりする日本で言うところの「ドライブイン」とか、広さから言うと「道の駅」のようなところ。朝の早い時間帯なので、スペースがあるようだが、昼から夕方にかけては、相当人気のようで駐車スペースもほとんどなくなるらしい。
休憩も終えて、朝の出発から2時間半ほど走っただろうか、国道6号線の比較的大きな町コンポントム(Kampong Thom)に到着。
ここからは、遺跡まで直接行くと30分ほどで到着である。
ここは、プノンペンとシェムリアップとの中間地点の場所。サンボープレイクックが世界遺産に登録されたので、ところどころで建築が始まっている。観光としての休憩などの施設がまだ無いので、これから発展していくのだろう。
プラサットサンボ郡に散った和平の心ー中田厚仁 氏
ここに来るきっかけとなったサンボープレイクック遺跡。世界遺産になったというニュースは、心を動かした。そのなかで、いろいろな事を調べていると「厚仁さんの父、中田武仁さん」が亡くなったという記事が目に入った。
昔の記憶をたどってみると、現在のカンボジアが成り立っていく過程で起きた事件を思い出した。
中田厚仁さんはどんな人かーーーWikipediaにリンクしておきます。
中田厚仁さんは、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC )のボランティアとして、厳戒下のカンボジアがはじめて民主化に向けた総選挙が予定されていた。その選挙監視員として活動中、何者かによって銃撃されて死亡した。
カンボジアと日本人の関わりのひとつ。サンボープレイクック遺跡へ通じる道の途中に「お墓」があるというので立ち寄ることにした。そこは、「アツ小学校・中学校」という門があり、広い校庭の奥に校舎、門の横にひっそりとお墓がありました。
この学校と道を挟んで、向かい側にはいつでも我が子を見られるようにと願いを込めた、ご両親が建てた家がありました。
「note」に中田厚仁さんについて書いています。
それにしても、コンポントムからここら辺のエリアに入ると、スマホの電波強度が弱くなって来ている。この調子でいくとサンボープレイクック遺跡の周辺は、相当悪い状態だろうと予想できる。
サンボープレイクック遺跡入場料は1月1日からの値上げ回避?
今回の日本語ガイドさんは、カンボジア国内のガイド資格認定を受けている数少ない人。それでも、サンボープレイクック遺跡のくわしいところは地元のガイドがいいようだ。
–クメール遺跡ボロブドゥールの旅【4-1】Apr 28, 2016~May 04, 2016
「遺跡内は公式のガイドが必要らしい」より
地元のガイドさんは、先約があるらしく時間調整のため、チョット早いがその時間を使ってランチタイムにすることにした。
もうサンボープレイクックの敷地内とも言えるような立地にあるレストラン。
現地に来て遺跡の下調べに、スマホを操作していると、目にとまった記事。
「サンボー・プレイ・クック遺跡群」入場料値上げ(1月~)
それによると、1月1日から値上げになるという内容。
「今日じゃん!?(@_@)」
と思った途端、ネットの状況があまり良くない。レストランの屋根があるためかと思い、外に出てみるも状態は同じ。
ガイドさんが使っているiPhoneの契約キャリアを聞くと「Cellcard」だと見せてくれた。3Gのカバーエリアに入っていて、アンテナは若干立っているようだが通信状態にかわりがない。(近年では4Gエリアになっている模様)
相方は「Smart」でつながっている。プノンペンではスイスイと4G最強の環境だったが、ここではあまり差がない。このsmartも3Gエリアになっているはず。(近年では4Gエリアになっている模様)
私は、SIMカードを立ち上げると勝手につながった[Metfone]でかろうじてつながっている。ここも同じく3Gエリアになっているはず。(近年は4Gエリアになっているようです。)
後で聞くと、ここら辺は電波の状態が極端に悪いらしい。さらに奥まったサンボープレイクック遺跡周辺は期待できないようだ。世界遺産に登録されたばかりというのは分かるが、ネット環境はもう少し整えてくれると助かる。
これから、多くの観光客が来るようになると、SNSなどを使っていく旅行スタイルだと不満が大きくなっていくだろう。
今後に、期待しよう・・・。
iPhoneなど、周波数が対応していれば、カンボジアのキャリアすぐ繋がる(ローミングですが)のを考えれば、大きな都市周辺で過ごすだけなら、現地でトラベラーSIMカードの購入も良いですが、日本で購入できる「アジア周遊SIM」が一択だと思います。
ートラベルビジョンよりー
超豪華なサンボープレイクックガイドの布陣
英語のガイド「Bun Theng」さんのFacebookを持っています。サンボープレイクックに関しては、同行した日本語のガイドさんよりも詳しかったのでトライアングルの通訳でなかなかいい経験をしました。
高校生くらいの生徒と先生達が一緒に、研修旅行中だった。先生もこの遺跡には詳しくないらしく、英語のガイドさんがチョットだけ説明してあげる事になった。この新しい知識のお話に、生徒達は真剣に聞き入り、目を輝かしていた。
11.タクシー1日チャーターで、秘境ヒンズー教の霊峰のチュト寺院とスクー寺院へ【その2】
クメール遺跡ボロブドゥールの旅【7-2】Apr 28, 2016~May 04, 2016
日本では、アイビーの葉が壁面を覆うような施設、甲子園とか、札幌ではサッポロファクトリーレンガ館などとは違うのは分かっていますが、イメージしてしまいます。またアニメの宮崎駿シリーズにも出てきそうです。
ここ、林の中のクメール遺跡群は、自然との共存がある面では保存を助けたような気がします。
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