ハノイの旅【5】タンロン遺跡
May 01, 2015~May 06, 2015
ホテルの最上階でシティービューを眺めながら、朝食をとる。
このホテルで知り合ったIさんと、今日帰国の話をする。
私たち夫婦より早く来て、遅く帰るといううらやましい旅のスタイルである。初日よりほぼ同じような時間帯で朝食をとっていた。
今日は、昨日ホテルへ頼んでおいた18時にチェックアウトする予定を話し、これからの旅の安全を誓い、またどこかでと挨拶をかわす。
これぐらいの日数を海外で過ごすと、日本国内の情報やニュースが聞きたくなる。ホテルによっては、NHK WORLD放送をTVで見ることもできるが、細かいニュースを知るには、スマホが一番である。
最終日は、歩いて世界遺産へ
今日の予定をぼんやりと思い浮かべて「総仕上げ」にかかる。
興味の対象は2010年8月にユネスコ世界遺産に登録された「タンロン遺跡」である。昨日のホアルーから遷都し、長期間王朝が置かれたため、時代背景が入り交じっているのだろうと思ったからだ。
10時過ぎにホテルを出る。いつもと違って遅い出発である。今日の夕方のチェックアウトの準備をして、ぎりぎりまで外で遊んでいようという作戦だ。
ここ数日、ハノイの街を歩いてみて、持ってきたMapと書かれている通り名を実際の通りとの位置がわかりにくかった。
通りによっては、かなり見にくい所に表示板があって、よく見ると頭上にあったとか・・・。
交差点があると必ず確認する。歩道は間違いなくスペースがない。それは人や商品で占拠されていて足元が気になり、確認がとてもしにくい。
少し天候はどんよりとしているが、暑さは上々。
雨が降りそうなのだが、何とか持ちこたえてくれそう。近道になりそうな通りを地図とスマホのGoogleMapsをアシストに歩いていく。途中、声がかけやすかった店の人に、地図を見せて確認。親切に「北門」を教えてくれたらしい。しかしGoogleは、ぐるっと回って西側の入口を案内する。
言葉をが完全に理解していなかったので、丁字路で教えてもらった右には行かずに、Google の案内に従い左へ。
堅牢なフェンスに囲まれたところに出た。出入り口があったので、制服を着た門番の人にベトナム語も併記されている地図を見せてタンロン遺跡の場所を聞く。
さすが、警備が任務なので、目は鋭かったが丁寧に教えていただいた。(^^)
その後で、スマホ画面に映るのGoogleMapsをピンチアウトしてみると、ベトナムの国防省であった。
結果的には、どちらでも目的地に到着できるのだが・・・北門から入場すると「無料?」かもという話があるが、それはこの年の時点で「有料化」がされていたように思う。
世界遺産の維持管理のために有料化をするのはしかたがない・・・。
この辺を見てまわるには、一日観光でツアーに申し込むのがいいのかも知れないし、目的地だけならタクシーが効率かいい。しかし、町並みを見てまわることで、その街の空気感を味わいたいのでどうしても歩きを選択してしまう。
ここまで、来るまでには流しのタクシーに声を掛けられ、シクロには3度ほど手招きされた。
それを振り切ってのテクテク歩きである。
やっと目的の場所に近づいてきた。
入口には、「Welcomeのフラッグ」がついた警備の建物があり、料金所がなかったので、てっきり無料?なのかと・・・。
建物から伸びた日よけの中から、職員らしき人に、目の前の建物に受付があるというジェスチャーされる。
ちょうど昼ということもあって、近くの「ホーチミン廟」などをまわっている人が多いようなので、閑散とした雰囲気である。
言われた建物で入場券を購入する。1人3万VNDと言われたので、二人で6万VND。(公共の施設の料金で日本円で300円から350円くらいなどで安い方だろう)
歩いてたどり着いた者には、館内全体にクーラーが効いていて一時の救いであった。(※パンフレットを見ると、午後の営業は14:00から17:00までとなっている。時間外に入場させてくれたようだ—何人かの人達も受付をしていたので特別というほどでもないのかも!)
券を購入すると、奥にある入場用改札機があった。(JRや地下鉄などに使われる機械式改札が設置されている。)
日本語のパンフレットも一緒に渡されるのだが、入場券の方は発行からものの数分で、機械にのみ込まれてしまう。
改札を通り、外へ出るとまっすぐ続く道になる。軍事博物館にある国旗掲揚台(フラッグタワー)が横に見える。
ここタンロン遺跡は、国会議事堂の立て替え工事を予定していた2002年に、巨大な敷地に遺跡群が出土した。また、2004年には、ハノイ国大会議に出席していた当時の小泉首相が、遺跡の調査と保存などの協力を約束したようだ。
きれいに舗装された場内。思ったよりも受付から「瑞門」まで距離がある。
この辺は日本との係わりが深いところだろう。横に、日本の伝統文化でもある「盆栽」が置かれている?
一番最初に目に入るのが瑞門である。
この門には5つの門があり、左右は、階上へそして中央の門は、皇帝のみが出入りできた。この3つの門のどこを通っても、これに続く敬天殿は王族が暮らしている宮殿のため、検問を通る構造にしていたようだ。
この瑞門の裏側では、ガラス張りの発掘現場をみることができます。
瑞門は上に上がることができるので、上から見るとガラス張りの発掘現場がよくわかる。
発掘調査作業の塀でわかりにくいが、この瑞門からまっすぐに敷石がのびていたようだ。
次の「展示室」の前は、周りをフェンスで覆ってブルトーザーを使い掘り起こし作業をしている、何かをつくる予定なのかな?
展示室では、ここで出土した土器などが展示されている。
このようにガラスケースに保管されているものから、
長期政権による首都機能として灌漑(かんがい)システムも発展していたと思われる。
少し離れて、「敬天殿」がある。といっても今現在は龍の手すりがある石段のみが残されている。ロープが張られていて、劣化を防いでいるようだ。
中央の階段部分は、皇帝のみが通れたようだ。
いまは無き「敬天殿」の跡は、レンガが敷つめられてた小さな空間を残している。
この奥に見られる建物は、フランス植民地時代のもので、ベトナムとして独立後も政府が使用していた新しいもの。
タンロン遺跡群としては、歴史的なものが古今が入り交じっているように感じるが敬天殿の跡地の後ろ側にフランス統治時代、旧北ベトナム軍が使用した「D67」指令室がある。
地下10mの位置に地下室があり、この地上の会議室とともに作戦会議が繰り広げられただろうと想像してしまう。
外観からも、ここのクリーム色に塗られた建物とは異質に感じるほど装飾もなく、軍事会議用の強固な建造物といった感じである。
館内を出ると、正面に展示されていた軍用ジープ。
「後楼」は側近者の住宅だったという楼閣である。比較的小さな建物で、中にも入ることができる。
19世紀にフランスが植民地化したときに、破壊されてしまったのでこの建物は「復元」といえるでしょう。
なかに入りましたが、かなり窮屈で、一つ一つの部屋も小さな感じでした。
ここを見た後は、「ホアンジエウ通り」を横断してタンロン遺跡(ホアンジエウ18番)の発掘現場へ。
この場所が、国会議事堂の建設予定地になったようだ、その場所から、ここに初めて首都を置いた李朝や陳朝の滅亡(1400年)までの物が発見されている。その中には、中国の陶磁器に混じって日本の有田焼や伊万里焼も発見されている。時代毎に、陶磁器の歴史が見えるのも面白い。(展示室内にて)
そこを見て、もう一度、「ホアンジエウ通り」を渡る。そして北へ行くと「正北門」がある。
興味を引くままに歩いたので、入場から1時間30分も過ぎていた。ちょっと暑くてバテ気味である。
昨日見てきた王朝の首都ホアルーからタンロンへ、そして中部のフエへ。ベトナムという国は、いろいろな側面を見せてくれる。近年、昔のサイゴン、現在のホーチミンの南部が加わり大きな経済圏を生み出している。
また、王国設立までは中国の影響をうけ、さらに近年までフランスに統治され、大きな痛手となったアメリカのとの戦争までを経験する。しかも通貨は、ドルが第二貨幣として流通し、時の政治を憎むが、アメリカを受け入れていく国民性がある。
この根底に流れるベトナム人の心の優しさと大らかさを、これらの遺跡を見て思う。
雨には当たらないが蒸し暑さにはかなわない
帰り道、ベトナム軍事歴史博物館の横にあるCafe highlands(ハイランズ・コーヒー)で水分補給。
アイスコーヒー(砂糖なし-ノンシュガーという)を注文すると、「ブラック!」と言われた。やっと甘くないコーヒーが飲める・・・そして、フランスのパンの歴史があるこの地で食べてみたかった、「バインミー」を。
さすが、ベトナム全土に展開するコーヒーショップである。
ここハノイに来て、いろいろと移動しているが、今日までベトナム統一鉄道の列車を見ていない。
ということで「ハノイ駅」に行ってみることに。
ここからなら、ディエンビエンフー通りから、レズアン通りに南方向に下るだけである。
Google Mapに合わせて歩き出す。そのときちょっと気づいたことがある。私の持っているAndroidのスマホと妻の持つiPhone6のGoogle Mapに関するGPSの追従スピード遅い。交差点での方向が定まるのが明らかに遅いのだ。XperiaZ1の指示に従うことに・・・。
駅舎内は、非常に天井が高い。
扇風機のファンがブンブンと回っていた。
陽が当たらないだけでも過ごしやすい
駅前通りとなる「チャンフンダオ通り」を東の方へ向いながらホテルの方へ戻ることにする。
バーチエウ通りとの交差点を北へ向かうと何度も通った、ホエンキエム湖が見えてくる。この景色も今日でお別れである。
スーパーマーケットをのぞいて見る
レタイトー通りをはさんで、Intimex(インティメックス)というスーパーマーケットに立ち寄ることにした。歩道に門番のように人かいて、そこから入ると左側に、荷物の預ける小屋がある。
預け方はちょっと不安になるような感じで、番号札をもらい、かごに入れて置いておくだけ。
預かる物に対する責任なんてないような感じである。ちょっと目をはなすと、誰でももっていけそう雰囲気。一時預かりとしては杜撰過ぎる。
二階には生活用品がほぼ揃っている。
数はすくないがバッチャン焼きもあった。ベトナムコーヒーなども普通に買える。お土産屋で買うよりこちらの方が安心かもしれない。ホテルからも近いし、もう少し早く来ればよかったかもと思えた。
荷物の受け取りも番号札を渡して、こちら側に無造作に置いてあるかごから持っていくだけ。
これなら、「もってけ泥棒状態である?」貴重品は入ってないが、せめて、カウンター(といっても机だが)の奥に置いておいてほしいものだ。
ホテルの近くまでもどり、「Cafe des Arts」という店に入る。
妻はシーフード・ヌードルを私は、アップルパイを注文したら、
インスタントの乾麺を使ったもので、ちょっとびっくり。数時間後に到着する日本の味をここで味わうことになるとは・・・と嘆いていた。
食後のレモンスカッシュ(懐かしい!)を注文。爽快感を味わった。
この店は、カクテル系のアルコールなどが得意なのかなと思う。
カウンターバーがあって、来店する人はビールを含めたアルコールと食事と言うスタイルである。
会計をすますと、伝票はCafe des Parisとなっていた。姉妹店なのかな!
レイトチェックアウトができたのが良かった
ホテルに戻りシャワーをあびて、チャックアウトのみである。それと同時にタクシーを手配してもらっているので、いよいよハノイとはお別れである。
短い期間でしたが、本当に良いホテルでした。場所がとっても便利で、スタッフ全員との距離感が近いのも星5つですね。
18時を少しすぎて。タクシーがやってきた。
ホテル前の通りは、細く駐車しているバイクなどがあるので、車どうしの交差も容易ではない。道の入口で、動けなくなり数分待つことも多い。
そんな事情だから、私たちも停車時間を短くするように心がけた。
ベトナムのタクシーは、運転手のスマホを操作しながら、時には画面を確認しながらの運転が多いように思う。確か来るときもそうだった。運転に身が入ってないように見えてしまう。
会社と連絡を取ったりしている訳でなく、客が降りてからで十分なようなものとしか思えない。
旧市街を抜けるのは、至難の業に思える。ちょうどラッシュ時間なのか、十字の方向から、バイクがうごめいている。信号なんて意味をなさないほど、渋滞の列が交差点内まで続いている。
事故に巻き込まれないで、無事到着をするのを願うだけだ。
しばらくすると、バイクや車が際立ってすくなくなる。
スピードがぐんぐんと上がる。40分弱でターミナル2に到着した。
オープンしたばかりの国際線ターミナル2
まだ、時間はあるので、新しくオープンした空港を見て回る。
新しいターミナル2の3F。4Fに比較的おおきなカフェ・レストランがあるが、その他のテナントは入居待ちのようで、パテ-ションで囲まれて何もない。
人の気配も少なく店が入店していけば、本来の活気が出てくるのだろう。
従来の国内線のターミナル1に行けば何かあって活気のある中で過ごせるが距離がある。あまり早い空港到着だと時間の埋め方や過ごし方に困ることもある。
フライト時間から、3時間前に開くチェックインカウンターが搭乗券の発券作業が始まるまでは暇である。
それでも、ホテルでシャワーを浴びてきたのですっきり。
ここまで来れば、出国審査から手荷物検査、税関検査とすすみ指定のゲートへ。
ハノイ発、現地時間5月6日、0時05分に飛び立ち、成田07時10分着。
これで、帰国である。成田から羽田へリムジンバスへ乗り、羽田から札幌という旅の締めくくりである。
普段の旅と違った事といえば、成田で到着早々にTV局のインタビューにつかまった。ニュース番組用らしいが、採用はされなかったようだ。
羽田で朝食を「ひとしなや」で白粥の定食をいただく。
今日の札幌は健やかな晴れ模様だった。
ベトナムは長い歴史のなかで、多様な民族や思考が集まっているなかで、ひとつにまとまっているように見える。今回は北部の首都ハノイから見てみたが、機会があったら、このタンロン遺跡に続く、中部の歴史的建造物を見てみたいと思う。
※おまけ
本当は、アルミ製の方が美味しくいれることができるとベトナムのツアーガイドさんに聞いた。コンデンスミルクなどをいれて、とっても苦いコーヒーを甘くして飲むのがこのベトナムスタイル。
こちらはステンレスのフィルター。情緒を楽しむならアルミかなぁと思う。
あと、カップよりも耐熱のグラスの方が、コーヒーを入れる時の楽しみが増える。
私は登山に出かけるが、リスと遭遇する確率が多いと思う。
な・なんと!ハノイのリスに「敬天殿」の跡地の広場で見つけてしまいました。足元を通って木に登って行きました。ここタンロン遺跡のあたりは、木々が多く自然がたくさん残っています。木々が作るひかげは、暑いハノイの気温を和らげてくれます。そんな時に出会った「リスくん」です。
そう言えばベトナムではリスの事を「コン ソック(CON SOC)」といって コーヒー豆のブランドにもなっていたし、固有種なのかな?
海外旅行ではじめての都市に行く時、切り離せないのが宿泊先。
色々なグレードや価格も予算に合わせるけど、最終的にホテルを決めるときは、やっぱりレビューが気になります。
事前にチェックするなら、海外の予約サイトの中にはキャンセル料が発生するところが多いですが、直前まで「キャンセル無料」を多く扱っているので必ずチェックしています。
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