マレーシア北へ南へ2000kmの旅へ【11】Aug. 11, 2017~Aug. 16, 2017
マラッカからバスに揺られて1時間を過ぎた頃に夕食の会場につく。
近くを見ると、東南アジアでは珍しくなくなったAeon(イオン)の看板が目に入ってくる。
「ふーん、ここでもWAONが使えるのかな?」と相方が言う。
「本当は電子マネーのWAONぐらい使えるようになれば、中国資本が目に見えて進出しているなかで、対抗策として日本の企業が目立つ方法になるかもね。マレーシアは日本人の暮らしも多いし・・・」
相方が、スマホアプリで、WAONポイント残高を示しながら
「タイとかカンボジアにもAeon(イオン)があったから、日本と共通で使えれば面白い・・・」
今まさに相方と同時に東南アジアで見てきたことを思い浮かべていったので、その発言は面白いと納得してしまった。
夕食の時間にはまだ若干早いようでしばらく待機していた。
確かに17時前で食欲が沸くような雰囲気ではない。それでもあとは、空港から帰国するだけという安堵感が出てきていた。直行便が就航してくれることのありがたさを実感していた。
これから起こる事も知らずに・・・・
「喫煙」に関してこれほどびっくりしたことはない。
この時は、きっと気の緩みがあったのだと思う。そして日本国内の習慣が、海外に比べて法整備が遅れていて、それを痛いほど実感したのはこのあとだった。
マレーシア政府の喫煙者に対する方向性
私と相方はタバコを吸わないが、北海道に住んでいると、多くの場面で喫煙者と出会う事がある。趣向品なので基本的には自由なのだと思いたいが、東南アジアを含め海外に出かけると事情が違っている。
グラフは男性のものだが、女性は北海道が全国1位の喫煙率である。このデータは、喫煙率が全国の平均29.7%に比べて多い地域を4ブロックに分けて発表している。北海道はかなり上位に分類されている。
旅行記とは全く関係がないのだが、2011年の「マラッカ禁煙令」を知っているだろうか?
これは、マレーシア国民だけでなく観光に来る外国人向けに制定された法律です。
なぜ、こんなことを旅行記に書くかというと、この表にあるように喫煙に関する日本の考え方は、世界の中で大幅に遅れた「後進国」であると言うことが海外に出てみるとわかる。日本人の喫煙の態度や習慣は、世界の標準から外れて、今後マナーを守れない国民として笑いものになる可能性もある。
そこで感じる事は、日本以外の他の国へ渡航すると喫煙に対して喫煙する人・受動喫煙に対する考え方それぞれが「ゆるい」のである。(旅行記なので、自己の感想はこの辺で・・・)
いよいよクアラルンプール国際空港へ・・・そして事件が
今回のツアーは、日本人らしく集合時間が常に正確だったため、空港にも比較的早く着いた。クアラルンプール国際空港(Malaysia Airport klia2)は、思った以上に大きい。ネット情報で下調べしないとなかなか位置関係が把握しにくかった。
手荷物の整理をしながら、マレーシアの気温に合わせた服から、エアアジアXの機内と新千歳に着いた時に堪えられる服装に着替える。
搭乗まで時間は、手荷物検査や出国審査を含めてもたっぷりあるように思えるので、相方と話した内容と言えば、
「保安検査後に自由時間があるからラウンジでゆっくりしよう」
「大きな買い物エリアが gateway@klia (ショッピングモールの名前)があるようなので、そこで自由時間かな?。と言っても買い物はもういい感じ・・・でもスカイブリッジ(Skybridge)渡ってからじゃないと時間が読めないか」と自問自答している相方。
「さっきスーツケースの重さ計ってもらったら、19kgだったからギリギリセーフ。ラテックスの枕を入れたのにそんなに重くなかった」と言いながら、もう買い物には興味がまったくないと思う私。
それぞれ一緒のツアー客は、厚着に着替えたりしながらほぼ準備が整っていた。
点呼を取ると男性1人が不明である。
一緒に来ている連れの男性も思い当たるところを探しにいった。時間にルーズな人達ではないことは、このツアーで十分わかっている。きっと全員そう思っていたに違いない・・・。
海外は日本人が思っているよりも、喫煙には厳しいです。
もし現地の添乗員さんがいなかったら
あとから思う事だがこれが個人旅行だったら、彼は、今日搭乗予定の便は乗れなかったかもと思った・・・。
突然、「彼」が顔面蒼白状態で現れ、今、本人が起こしてしまったとんでもない状況を説明しだした。
空港の敷地の外に出て、バスなどの駐停車場所での喫煙が原因であった。話の内容を簡単に要約するとこうだ。
と言うような趣旨の会話があったらしい。
そこで、タブレットで表示される翻訳ソフトが微妙な表現で何を言っているわからないので現地の添乗員さんを連れてきたいと申し出てきたようだ。
持っていた荷物とパスポートは没収されている。
さらに後で知ったのだが、空港に入ったら「喫煙は気をつけろ」と前もって現地添乗員のポールさんから言われていたらしい。明らかに、海外の喫煙に対しての厳しさを知らなすぎる。
ポリスステーションに本人と現地添乗員さん2人で入っていく。もちろん追うように日本からの添乗員さんも一緒である。
現地の添乗員さんと2人での交渉は続いているようだ。ツアーを仕切るため日本からの添乗員さんは、一応戻ってきていた。成り行きを見守るしかない・・・。
クアラルンプールの指定エリアでは、路上での喫煙が禁止になっている。その一番厳しいと思える空港なので、実際発見されたりすると法律に規定されている通りとすると「RM10,000以下の罰金か2年以下の懲役」の話だろう。マレーシアの通貨10,000RM(リンギット)と言えば、その日のレートをスマホアプリの換算額でざっと確認すると日本円で25万円を超える。
しばらくして、戻って(釈放?)くる。ネイティブで意思の疎通をはかってくれたから実現したのだろう。もし現地の添乗員さんの力添えがなかったらどうなっただろうか?
実際、いくら罰金を払ったかは聞いていない。多少、情状酌量の余地はあったのかもしれない。
1時間ほどの遅れで、チェックインカウンターへ移動が始まった。時間はこの時点でも十分に余裕が残っていた。
東京オリンピックに向けて東京では受動喫煙が話題になっています。日本国内全体ではまだ喫煙の防止という段階です。諸外国ではすでに受動喫煙に対してメスを入れて罰則を強化しています。海外へ出かける際は、情報のリテラシーを高めて行動しましょうよ。
時間のロスが少しあったけど、チェックイン
まだ充分な時間があることを伝えられてから、全員の移動が開始された。チェックインカウンターは、「T」でゲートはP8であることが、表示されている。
チェックインカウンターで各自手続きを済ませて、手荷物検査と出国審査と進む。ここで現地の添乗員さんのポールさんとはお別れです。とても人気で一緒に写る撮影に引っ張りだこ。みんな名残惜しいのでしょう。
このマレーシアの旅行の計画を立てた時には、個人的にはツアーに参加するなんて思ってもいませんでした。マレーシアの国内で行きたいところをセレクトしているうちに、相方が見つけていました。
お盆の時期で、計画もそんなに早く立てた訳ではないので、新千歳発のAirAsia Xもそれなりの金額で、このツアーの行き先、ペナン島、キャメロンハイランド、マラッカと周遊するには、ソロ相当の金額がかかっていました。
さらに、キャメロンハイランドの滞在を入れると日数が数日足りなくなってしまいます。そこで、キャメロンハイランドをのぞくプランで考えていた個人プラン。それなりにクアランプールの街は、公共の交通網が発達しているので、きっとツアーを使わない旅の方が楽しかったかもしれない。
しかし、念願のキャメロンハイランドの避暑地(相方には寒いところへわざわざ行くことに最後まで反対されていました)にも行けたし、ハイランド地方の紅茶が非常においしい事も現地で体験できたので満足です。ツアーを使わなかったら次回のマレーシアの旅にまわしていたと思います。(いつ、マレーシアに行きたくなるかはわからないですが・・・)
このツアーの旅を評価するなら88点の満足度があると思いました。全く買うつもりのなかった「天然ラテックスの枕(高反発)」は、頭をのせて見ないとわかりませんが多く流通している低反発枕に比べて全く寝心地が違います。こんな体験は個人旅行なら絶対にスルーしているし、知っていた事と言えば中学生の頃習うマレーシアが、プランテーション農業でゴムの産地である事ぐらい。
ガイドブックにもゴムの加工品としてお土産を取り上げているところはなかったように思います。現地に来て見ないとわからないものですね。そして、気に入ったものであれば、商品の説明に熱心な人からなら買ってもイイという性格が出てしまいました。
ホーチミンのタンソンニャット国際空港の出来事でもそうでした。
スカイブリッジを渡り自由時間があったのでラウンジへ
スカイブリッジを渡りきったこのエリアでも、店が立ち並んでいる「KLIA2」。自由時間があったので計画どおりラウンジを探すことにします。そんなにゆっくりという訳にはいかないけれどコーヒーぐらいは飲もうかと・・・。
プライオリティパス(PriorityPass)で入れるラウンジである「PLAZA PREMIUM LOUNGE」がスカイブリッジを渡った後の3階にあるので都合がいい。
ところが、そんなに広くはない3階のエリアにあるということはわかっていながら見つからない。そうこうしているうちに、日本からの添乗員のSさんに声をかけられる。
「ラウンジの場所をさきほどココのフロアの人に聞いたのだけど要領を得ず見つからないですよ」と私。
ネイティブでキレイな英語を話すSさんは、インフォメーションですぐに聞いてくれた。
「The Barの向こう側のようですよ」と一緒に案内してもらう。
確かにアプリの説明にも「behind’The Bar’」とは書かれていて何度もそこを歩いているはず。
この情報の「Plaza Premium Lounge」が見当たらない。
確かに、The Barがあるのでこの付近である事は間違いがないようだ。突然閉鎖されたのかと思ったが、先程の話からは間違いなくあるらしい。
左横には、小さくPlaza Premium Loungeとなっている。上の「Wellness SPA」に気を取られてぜんぜんわからなかった。ラウンジ内は、SPAスペースがあるので座席数が限られていている。
なんとか座席を確保してコーヒーを用意した。もしかしたら、入室の手続きの時に出て行った人達がいたので、入れたのかも。30分ほどだったけれどゆっくりできた。
今回のツアーには関係はないが、空港でゆっくりと過ごす方法として、エアアジアのラウンジがある。「プレミアムフレックス」以上で使えるようだ。プライオリティのラウンジはかなり混んでいたので旅を考える上で候補にいれておいてもいいかもしれない。
たとえば、個人で手配したエアアジアの航空券で「プレミアムフレックス」を選択すると、KLIA2にある「AirAsiaプレミアムレッドラウンジ」が3時間無料になる。
この大きな空港でトランジットなどの場合は、かなり有用に感じている。
ペットボトルに入ったミネラルウォーターが売ってない。
さて、
もう一度集合して、出発ゲートにいく。その前で手荷物の検査がもう一度あるようだ。列を作っている流れをみるとあまり厳しくないように思えるが、ある程度それを見越した時間でゲートに進むほうがいいのだろう。
この後に、ペットボトルのミネラルウォーターを購入しようとするが、どこの店にもないのである。
透明のカップに蓋をつけたミネラルウォーターしか販売していないのは、ここがエアアジアの出発ゲートであり、機内持込を原則認めていないということかもしてない。
ここの利用に慣れている人は、空のペットボトルを持参して水道水を入れたり購入したカップのミネラルウォーターを移し替えている人もいた。(空になったミネラルウォーターのペットボトルを捨てなければよかったかなぁ~)
搭乗受付も長い列を作っていた。開始は時間通りだったが機内に入ってから、定刻を過ぎてもなかなか離陸する気配がない。45分位過ぎてから搭乗する人がまとまって機内入って来た。
Fly-Thru (フライスルー)の乗り継ぎ客を待っていたのだろうか?それとも、普通にこれだけ遅れるのだろうか・・・。
思ったよりも、帰国の便は日本人もちらほら見える。
突然遅れて来た日本の若い人、ひときわ大きなキャリーバッグを持って機内に入ってきた。上のつり棚にも入るわけもなく、困惑している。時間が無かったのでそのまま入ってくたのだろうが、まわりの日本人がアドバイスをしている。
日本人のキャビンアテンダントもいるようだったので、相談するといいと言って機内の前の方へ促した。戻って着席していたので、事なきを得たのだろう。
今日、一日色々な事が起きている。LCCとはいえ対応が大変な気がする。見ていると、明らかにレガシーキャリアのサービスで無ければならない乗客が乗って来ているようにも思う。
少し不自由なところを気遣って乗るのがマナーと思うが、なかなか安さを念頭に置くと使う側の意識の改革はむずかしい。
ほぼ満席で、クアラルンプール国際空港を旅立つ。
機内では、出国時に手に入らなかったミネラルウォータを購入した。あとの時間はスマホに入れてあるミュージックを聴いていた。深夜便なので起きている必要もない。お腹も減るわけでないので機内食の購入もしなかった。
定刻よりも30分ほど遅れて新千歳の国際線ターミナルに着いた。
国内線ターミナルビルに移動して朝食を取る事にしたが、10時にはまだ早く開いている店はまばらでまだ準備中が多かった。
軽い朝食を取ってから、いつも預けている駐車場のバスにピックアップしてもらい、車を取って札幌の自宅に戻った。
今回のツアーに参加してみてよかった点は、
自分で組み合わせたプランなら到底日数が足りない「キャメロンハイランド」に足を運ぶことができたこと。
いつも考えるのは、その土地の交通機関の渋滞が、入国と出国に関わるリスクなのだが、あまり考えなくてよかった。(空港までの時間とか手段だったりを考えているので)
普段なら巡り合わないような「お土産品」の嗜好に出会ったこと。
札幌から参加する人よりも、遠くから「新千歳」出発の旅程に合わせて来る人が多かったので、北海道内の旅をするときの思わぬアイデアがあったこと。
ツアーの人達の中には、これからJRで札幌駅に移動して宿泊する人達やすぐに長距離バスで釧路まで7時間ほど揺られて帰るという人もいる。こんな時は、【高速バス予約】 が便利なのだと思う。
また室蘭や登別などへJRに乗って帰る人達などがいるので、もう一つの国内旅行が待っていると考えると体力があるなと感心してしまう。
新千歳空港ターミナルが、車のルームミラーの視界に入ってくる。今度はどこに行こうかと相方が言う。
「ハワイじゃなかったの?」
「サクラダファミリアも・・・バルセロナもいいけど」
予算を全く関係なく休日の予定も考えなければ、どこだっていける。そんな他愛のない会話をしながら今回のマレーシアの旅は終わろうとしている。
次回、年末年始の海外旅行につづく・・・(と思う(^^)/)
コメント