84分を使って「未来いつなぐ希望の松」へ
東日本大震災の震災遺構のひとつ「奇跡の一本松(きせきのいっぽんまつ)」は、陸前高田、大船渡線のBRTの駅名にもなった有名な「松」があるが、同じ奇跡の松として枯れずにいる岩泉町小本地区の「未来いつなぐ希望の松」方は、ずっと知名度が低い・・・。
Appil 30,2023~May 05,2023
三陸鉄道の大沢橋梁「山側・海側」停車時間は約1分
発車時刻を10分を切っているようだった。
駅舎に入って改札を抜けて跨線橋を渡るとすでに、あまちゃん号とも言える「三陸元気!GoGo号」の座席は何となく埋まっていて、2両編成の「かいけつゾロリ冒険号」に比較的空席があったので座席を確保できました。
ただ相方に至っては、ほとんど席には座らず立ち見で海岸線の風景を写真に収めていました。
久慈駅から岩泉小本駅までは景観いいのは、地図を見てもトンネルや遮るものが少なく快適な車窓です。
野田玉川駅をすぎしばらくすると、安家川から海へ流れる様子が見えてきます。ここはリアス海岸の特徴が現れていて、河口付近にかかわらず狭まっていくのがわかります。
国道45号線の安家大橋を渡っていく車を三陸鉄道リアス線の安家川橋梁からの眺めです。ここから国道は大きく左へカーブしていき、次の堀内(ほりない)駅までには国道と鉄道路線の高さが入れ替わっていきます。
山側も海側も景色を楽しめる場所として三陸鉄道大沢橋梁があり、その橋梁上で約1分間ほど停車してくれます。
大沢橋梁は、調べてみると30m高さにあり全長156mという大きなものですが、その上を行く国道に架かる堀内大橋から、この三陸鉄道が停車中のアングルを狙っている撮り鉄さん達もいるようです。
堀内駅から堀内大橋まで1kmくらいですので徒歩約15分程度です。マイカーで来ている人にとっても、橋梁の真ん中で止まっていることで、撮影ポイントとなり鉄道利用客以外の観光拠点になっているように感じます。
ここでの1分間の停車は、鉄道会社にとって時刻表とのジレンマですが、速くを求められる公共交通にあって、それを目玉とした試みを実行できているのが異例なのかもしれません。
今日は本当に天気がよいので、絶好のオーシャンビューのなか、車内では多くの乗客は座席を立って撮影を楽しんでいました。
岩泉小本駅、待ち時間の84分
八戸から久慈そして三陸鉄道を選んだ理由は、海岸線の景観が楽しめるというのは前章でも述べた通りですが、それ以外に2つあります。
たまたまですが、今回乗車できた「三陸元気!GoGo号」のラッピング車両があったこと。
そして、岩泉小本駅の下車後に84分の待ち時間があったことです。
龍泉洞に行くルートはいくつも見つかりましたが、一本だけ残った「松」に興味がありました。松の木と言うと陸前高田の「奇跡の一本松」が、全国的には有名だと思います。
この岩泉町の小本地区の一本だけ残った「松」は、「奇跡の一本松」が枯死からの延命処置がとられたりしたなかで、保存処置は施されず塩害などにも耐えて残ったとされています。
その間には、海からの潮風や何度も襲った台風をも乗り越えてそびえ立つ「松」として、震災伝承に役立ているという話がある事を知ったからです。
その場所を探すのに参考にしたのは「みちのく潮風トレール」の岩泉小本駅からのルート案内です。
その命名された「未来につなぐ希望の松」を見に行くには、徒歩で20分×2=40分に滞在時間15分とすると十分可能な時間となります。
岩泉小本駅を出て、国道445号に沿って歩き、国道45号線との交差点へ向かうように海岸線を目指します。県道291号に入ると震災で閉業した小本温泉の看板が見えてきます。
知名度が低いのは残念ですが、こちらは、そこに有ったまま育っている価値があります。まわりを植樹し直して整備しています。車での場合、岩泉小本駅を基準とするのは意味がないと思いますが、5分とかからな場所です。
休日であれば、近くに「浜の駅 おもと愛土館」がありちょっと休憩も可能ですので、ちょっとした観光スポットになっていてもいいのかなという印象です。
駅の方面から来ると「未来につなぐ希望の松」は、植樹された背の低い松に囲まれて大きく存在を示してくれます。
もう一つ、この近くには震災で流出しなかったものがあります。
それは、「浜の駅 おもと愛土館(あいどかん)」のそばにあります。
小本川水門の方へ戻り、右岸堤防が嵩上げされている中にあるのは、海嘯記念碑(昭和三陸大津波記念碑)です。
東日本大震災の時の津波による水位が示されています。大人の平均身長はゆうに越えています。奥に見える嵩上げの工事の高さも頷けます。
昭和8年の翌年に建立された海嘯記念碑(昭和三陸大津波記念碑)、ここに書かれた文字を書き写すと以下の注意喚起となっている。この海嘯記念碑は、2011年の震災でも流されることなく残っているという。
この教訓は、この横にある浜の駅 おもと愛土館からさらに、国道側にあった、旧小本小学校(廃校)の避難に役立っていたのが想像できる。震災の二年前の2009年に校舎から高台となる国道45号への階段が設置されていた事で、多くの生徒や教員が助かったという。
先人が残した言葉を後世まで伝える海嘯記念碑は、多くの人命を救うこととなりました。
岩泉小本駅前の一角にも『東日本大震災津波記念碑「命を守れ」』が建立されています。
また、この駅は、2015年12月23日に小本津波防災センターと併設使用として建て替えられた歴史があり、記録を残し後生へ伝える役割を果たしていくのでしょう。
岩泉町コミュニティバス小本線へ
この駅から龍泉洞は日本三大鍾乳洞の一つと言われる「龍泉洞」に行くには、公共交通を使うなら岩泉町のコミュニティバスで行く方法が唯一だと思います。
目的地の効率よく行くにはマイカーやレンタカーが圧倒的に多く、それは途中のバス停留所「道の駅いわいずみ」に集まっている車の数や「龍泉洞前」停留所近くのマイカー駐車場の混み合いだけでもわかります。
ここは岩泉ホールディングスの「龍泉洞の水」を販売しているところで、毎年元旦に採水して限定販売される「龍泉洞の若水」を購入してきました。
バスの乗車時間は30分ほど、チェックイン可能な時間となっていたので、目的地の「龍泉洞前」まで行かず、手前の「温泉ホテル前」で下車しました。
このホテルを選択したのは、ここから清水川に沿って遊歩道があり散策ができる事です。
龍泉洞観光には欠かせない人気のホテルです。早めの予約がないと満室も多いようで、私達も予定していた前日は、予約ができなかったので旅行プランそのものを変更しました。
JTBならツアーがあったり、宿泊の予約ができたり便利です。
今日の宿、龍泉洞温泉ホテルにやっと到着しました。
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