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オリーブ色したかんらん岩のアポイ岳を登る。

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かんらん岩と花の百名山の一つアポイ岳へ  Jul 16,2018

Fifth-stage mountain lodge

アポイ岳避難小屋がある5合目から、山頂方向を見上げる

気持ちのいい登山ってあると思う。

年一度くらいここに来て登っている。札幌の自宅から登山口まで高速道路を使っても3時間半ほど。数年前まで「日高門別IC」の延長工事をしていた頃は4時間以上かかった。アポイ岳はほどよい高さ約810mなので、朝早く来れば日帰り登山は十分に可能な山なのだが、今回は新冠に一泊することにした。

道外から来る場合、玄関口の新千歳空港からならレンタカーを使うと2時間30分ほど、日高山系を登る予定があるなら、100名山には入りませんが、高山植物の宝庫と世界でも珍しい地形を体験できるので、足慣らしにここからスタートするということもできます。※この道は、ガスがかかりやすく視界不良になることがあるので注意です。
アポイ岳まで

「北の道ナビ」で検索すると150km程度、足慣らしにもちょうどいい低山。

JR日高本線の鵡川駅~様似駅間は、現在バスの代行輸送となっていますので、道外から来られる方は注意してください。
※とうとう2021年4月、本線と名のつくJR北海道、日高本線が廃線となりました。

登山やトレッキングなどに空港から北海道内に入ってくる場合、登山中よく聞かれるのがガスカートリッジの入手場所です。

EPIgas・PRIMUS

EPIgas・PRIMUSの各容量が手に入ります。

レンタカーの移動がおすすめなのはニッポンレンタカー北海道iconなら、主要空港の営業所でガスカートリッジの手に入ります。

ニッポンレンタカー北海道:千歳空港営業所、旭川空港前営業所、女満別空港前営業所、釧路空港前営業所、中標津空港前営業所、帯広空港前営業所

今回は、宿泊の前日に登るか、前泊してから登るかは天候次第としておいた。明け方4時に起き上がると、昨日の天気予報以上に刻々と悪くなっていくようだ。今日の北海道は雨のようだった。

前泊してから登ることに決めて、家を出る時間の朝5時出発を11時の昼近くに変更した。雨の中の登山より、晴れている方が気持ちがいい。

 

翌日、1時間30分かけてアポイ岳入口へ。

パーキングとトイレ

車列の一番奥にキャンプ場がある駐車場。手前には、きれいなトイレがある。

昨日宿泊した「新冠温泉レ・コードの湯 ホテルヒルズ」からは、連休で車が多いのか、意外と時間がかかってアポイ岳の登山口に到着します。

前日、ちょっとした観光を参考までに書いておきます。

前泊したホテルの外観、正面が宿泊者用入口で、向かって左側の奥が日帰り入浴入口。

新冠温泉レ・コードの湯 ホテルヒルズは、ログハウス風の建物でできていて、馬産地ゆえ財政豊かな町の印象がある。

昨日は雨模様だったので、いろいろ寄り道。

その中で、クオリティの高い施設が、道の駅と併設されている「レ・コード館」。競馬にかけた記録と「レコード盤(ディスク)」として名盤の数々が展示してある。

この奥にある、ミュージアムは有料(300円)だが、コレクションのレコード盤を、これもたいそうお金のかかったオーディオシステムで聴くことができる。

道の駅は非常に混んでいるが、こちらの観光案内所の奥は意外にも人が少なかった。

その後、競馬ファンと言うより、純然たる馬のファンが集まってくる「サラブレッド銀座」に車を走らせた。広大な場所に牧場がいくつもできている。晴れていればもっと馬を見れたかもしれない。

その道を進んでいくと競馬ファンでなくても聞いたことがある「オグリキャップ」優駿記念館がある。武豊騎手によるVTRが流されていて来場者のファンは釘付けでみている。

優駿記念館

優駿記念館。オグリキャップも晩年白い毛並みになってしまうのね!

新冠は、本気で観光しようとすると、一日一杯かかりそうです。道の駅にある観光案内所にで、いろいろ聞いてから行動すると効率よくまわれる気がします。

偶然ですが、新冠の町でお祭りをやっていました。滅多に遭遇しないので出店をのどいて見ました。雨模様の割には、賑わっています。夜になるともっと人が集まってくる気配です。

ふるさと祭り開催中!

 

閑話休題:アポイ岳はキャンプ場もありアウトドアの拠点として

 

アポイ岳は、登山口がわかりやすいのもの特徴で登山初心者にもお勧めです。

10時を過ぎて出発。天候は曇り空なのだが、雲の流れをみるとこれから晴れてきそうです。

Mt. Apoi Geopark Visitor Center

中央が登山口で、左側にはジオパークビジターセンター右にはボンサヌシベツ川が流れている。

暫く進んでいくと、登山届所が見えてくる。北海道の山らしく熊の出没の注意がある。また、貴重な高山植物を守るため、トレッキングポールにはキャップをしてほしい、との注意書きもある。

登山届け

こちらは昨年秋、108のもの。いつもの熊出没注意とマムシの発生注意看板が立っていた。

さらに奥に進むと、右折してボンサヌシベツ川にかかる橋を渡る。これからが、登山の始まりです。

道迷い

案内がしっかりしているので、初心者でも道迷いにはなりにくいです。

他の場所で登山をしてきた靴など植生に影響がないように、ブラシを使って靴底の汚れなどを十分に落として出発です。

登山靴の洗浄

この小川で登山靴をよく洗います。山に雑草種を持ち込まない配慮です。

樹木に覆われた登山道は、太陽が照りつけても日影を作ってくれるので、思いの外暑くなりません。ただ、今回は昨日まで続いた雨で足下は水を含んだ土で歩きにくいです。せっかく洗ったばかりの靴もすぐに泥だらけです。

1合目3.8km山頂

1合目です。低山の割には3.8kmと長い登山道の設定です。

朝早い時間に、荒れて濡れている登山道も、下山時には乾いてることも多いのですが、今回は16時頃でも状態は変わりなかったです。

林道歩きが5合目まで続きます。

林道歩きが5合目まで続きます。

小さな沢を渡る前に、休憩所があります。10年前くらいに比べたら随分木製の椅子が傷んでいます。

川の音を耳に入れながらの闊歩です。

川の音を耳に入れながらの闊歩です。

三合目には、熊よけの鐘(ゴング)があります。強烈な音が出ますが、鳴らさないより鳴らした方が安心です。出会い頭に熊さんと遭遇するのが最も危険です。

頂上まで2.2km、三合目。

入山してまもなくのところにもあります。あと頂上まで2.2km、三合目。

五合目に到着すると、避難小屋周辺は、これから山頂を目指す人、グループ・パーティーや下山するもので賑わいを見せている。レンガ造りの小屋は一応安心感を与えます。

人が多いので避難小屋の写真は撮れなかった。目指す山頂はまだ先。

2012年の11月の五合目の写真が残っていました。

※2012年11月4日11時頃撮影したものを掲載しています。

 

不思議な山、ここからハイマツ帯へ

全く、視界の開けなかった今までの登りが、全く違う風景に変わる瞬間が五合目。普通、高度を上げていくとハイマツ帯になっていくのだが、それもおおよそ九合目まで。そのあとの山頂がダケカンバとなり、視界を遮ってしまう。

これは、このアポイ岳の成り立ちを、登山口手前にある「アポイ岳ジオパークビジターセンター」をのぞくと解明できる。

開始時間が遅かったので、少し先を急ぐことにする。

Fifth-stage mountain lodge

登山道両側に花が咲く。これから嫌いな階段登りが続く

 

普段ゲイター(スパッツ)などをつけるのは嫌いなのだが、五合目までの状態を考えると仕方がない。それでも装着しないでいると、相方に『洗濯が大変になるから』という理由で強制的に付けることに。ーこの写真の後は、カンラン岩地帯に入り陽が当たっているので即外します。

私が持っているのはすでに旧モデルですが、このミズノのレインスパッツが気に入っているのは、チャックが通常の方向とは逆の太ももから足首へ下げる装着方法です。これ意外と装着しやすいです。また、なるべく使いたくないのでコンパクトになって収納できる点もお気に入りです。

登山道が、はんれい岩質とかんらん岩となっていています。

地層が隆起し表層に出てきたのがよくわかります。

Alternate Layers Gabbro and Peridotite

はんれい岩質とかんらん岩の交差レイヤー(互層)が、現れてくる六~七合目付近

 

このような、岩質が九合目まで続きます。

ちょうど、天候も晴れて来ました。今日にしてよかったです。写真撮影を楽しんでいたら後続にどんどん追い越されていきます。

アポイ岳の森林限界

七合目を過ぎたあたりです。胸突き八丁の岩道ですが若い人は軽快な足取りで登っていきます。

Umanose

馬の背あたりは、植物撮影を楽しむ人が増えます。

一応、お花畑というので、いくつかの高山植物の撮影をしてみます。

Dasiphora fruticosa

キンロバイ

アポイキンバイならよかったのですが違うようです。

Thymus quinquecostatus

イブキジャコウソウ

馬の背を過ぎると、山頂と幌満お花畑の二股に分かれます。

Take the left fork to get to the summit

トラバース分岐です。もちろん山頂方向の左を選択。

 

ここから、ぐんぐん高度を上げる歩きになります。立ち止まる頻度が多くなります。

Umanose

今来た馬の背を振り返ります。ちょうど雲が途切れて海岸まで見えます。

山頂まで順調にいって30分位ですが、普段の運動不足がたたってプラス10分は余計にかかりそうです。

八合目

これから、山頂まできつい登りの分高度感が充実してきます。

 

足の動きが・・・

山頂手前の急坂がまっています。

あと数歩で山頂です。こんなに急だったかな?

 

山頂付近だけが元々の地表が残って隆起した?

ダケカンバがこの山頂付近に生息します。9合目を超えるまでは森林限界の様相でしたので面白い地質です。

Mt. Apoi summit

アポイ岳山頂です。3時間を目標タイムでしたが、30分遅れでした。

 

視界がきかないので、普段ならすぐ下山するのですが、今回はカップ麺を食べることにしていました。カップ麺のパッケージに「おにぎりのお供に」を見ていた相方が『おにぎり食べたくなった・・・』などと言います。

登山口までの車内で、何度も『セブンイレブンがあるけど・・・』と言ったのを忘れています。お腹的にはこの程度の分量で充分です。汗で失われた体内塩分も適度に吸収できます。

山頂クッキング!

下山の開始です。山頂には30分ほど滞在しているうちにもう、天候が変わってきています。

山の天気は変わりやすく・・・

山頂を目指す登山客数人と出会いましたが、上の方向を見るとすでに雲のなかです。さっきまで、きれいに見えていた山頂が全く見えなくなっています。この九合目付近の温度も急に下がってきています。

2時間ほどで下山ができるはずなので、先を急ぎます。

山トイレが設置されている。

アポイ岳、五合目の避難小屋の横に「簡易トイレブース」があります。持参の「携帯トイレ」を使用して持ち帰るもので、以前間違った使い方をされていることがありました。携帯トイレはビジターセンターでも販売しているので、トイレが不安な方は用意することをおすすめします。

無事、予定通りのタイムで下山できました。

このような設備は、この山の登山が広い年齢層に人気なのがわかります。また、アポイ岳から吉田岳、そしてピンネシリと縦走を楽しむことができるので奥の深い山だと思います。

 

山トイレ設置

簡易トイレブースで使用した携帯トイレを捨てることができます。

登山道に面する、ビジターセンターの裏側に「携帯トイレ」の回収ボックスがあります。このアポイ岳、家族連れの小学生なども登っていますので、もしもの時のトイレ用に「携帯トイレ」を持参しておくと安心です。

アポイ山荘

ここアポイ山荘の大浴場で汗を流してから帰路につきます。   ※2017年宿泊時に撮影

アポイ山荘は、宿泊もできて休日前の予約ならかなり前からでないとなかなか予約の取れない人気宿泊施設です。お風呂はいつも清潔に保たれていて快適ですし、宿泊者の夕食は地産地消を取り入れたメニューでとてもおいしいんです。

今回も、超人気ホテルの予約に挑戦してみましたが、連休ということもあり無理でした。そばにはキャンプ場もあるのでそれも考えましたが、今回のように前泊して登山をして帰宅となると、体力的にも翌日の仕事的にも響きそうなので、少し距離はありますが新冠温泉レ・コードの湯 ホテルヒルズにしています。

 

「アポイ山荘」の残念なところ

宿泊や日帰り入浴で利用しやすい「アポイ山荘」、宿泊の食事もおいしいし浴室もきれい(掛け流しの温泉ではない)で、登山の前泊や下山後の入浴には便利。しかしながら、ホテルのロビーと休憩処の飲食ができるところも喫煙ができる。この時代に分煙もせず、乳幼児もいる飲食スペースで禁煙対策がされていないのは時代錯誤。

旅行の予約サイトなどで、先に禁煙ルームから埋まっていき喫煙ルームだけ最後まで残るというのは知っての通り。宿泊する各部屋も完全禁煙にすれば、予約率あがるのにと思う。まあ、ますます、自分が使うときは予約が取れなくなること必至ですが・・・。

ちなみに、前回泊まった時は消臭対応してもらった。(禁煙ルームがなかった)

受動喫煙防止法(2018年7月18日)も国会を通過して成立したので、「2020年4月に全面施行」とはいわずに、すぐにでも様似町長の手腕に期待します。

現在「禁煙ルーム」の対応がされています。
禁煙ルームが選択できるようになりました。

禁煙ルームが選択できるようになりました。

 

北海道以外からの方も一度足を伸ばして、是非アポイ岳に登ってみてください。

 

では。。。

アポイ岳のユネスコ認定ジオパークのある様似町をよく知るには、この書籍が最適です。

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